在留資格変更許可(入管法第20条)

 現在もっている在留資格の範囲以外の活動を行おうとする場合には、活動しようとする在留資格に変更する必要があります。

在留資格の変更とは・・・在留資格をもっている外国人が在留目的を変更して別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合に、法務大臣に対して在留資格の変更許可申請を行い、従来もっていた在留資格を新しい在留資格に変更するために許可を受けることをいいます。

在留資格変更の申請があつた場合には、法務大臣は、外国人が提出した文書により在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができるとされています。 ただし、「短期滞在」の在留資格からの資格変更については、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可されません。

在留資格変更許可前に、新たな在留資格に属する活動を行うと不法就労となります。 また、在留資格に属する活動以外の活動を主に行っていることが明らかな場合には、退去強制事由に該当します。

不法就労とは以下の外国人が収入を伴う就労活動等を行っている場合を言います。

不法在留者 不法入国者 元々在留資格をもっていない外国人  退去強制事由に該当
不法上陸者
不法残留者 在留期間更新・在留資格変更を受けないで在留期限を越えて在留している外国人
専従資格外活動者 資格外活動許可を受けずに、在留資格に属する活動以外の事業運営活動、報酬を受ける活動を専ら行つていると明らかに認められる外国人
非専従資格外活動者 資格外活動許可を受けずに、在留資格に属する活動以外の事業運営活動、報酬を受ける活動を行っている外国人 禁錮以上の刑に処せられた者は退去強制事由に該当

在留資格変更許可の考慮要因

 現在もっている在留資格で認められた以外の活動を行おうとする場合には、行おうとする活動内容に応じた在留資格へ変更しなければなりません。
転職により従前の在留資格に該当しない業務に従事したり、離婚などにより身分変動がある場合や日本の大学を卒業した留学生が、企業へ就職する場合には、在留資格の変更が必要となります。  例えば、留学生が日本企業へ就職した場合には、在留資格「留学」から「人文知識・国際業務」や「技術」などの就労資格へ変更することになります。 以下は在留資格変更の許可において考慮される要因です。

① 在留資格該当性・・・行おうとする活動が入管法の在留資格に該当すること

② 上陸許可基準適合性・・・「投資・経営」、「法律・会計」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術」、「人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「興行」、「技能」「特定活動の一部」「留学」、「研修」、「家族滞在」の在留資格については、上陸許可基準に適合していること
※上陸許可基準は上陸許可申請において求められる要件ですが、在留資格変更についても原則として求められます。

③ 素行が不良でないこと・・・刑事処分を受けた行為、不法就労をあっせんする行為などを行い、懲役、禁固、罰金に処せられたり、日常生活における違反行為等を繰り返すなどがないこと

④ 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること・・・所得税・住民税を納付していれば一応要件は満たすと思われます。 申請人単独でなくても世帯単位で安定した生活が見込まれれば可、生活保護を受けていても人道上の理由が認められれば可。

⑤ 雇用・労働条件が適正であること・・・労働関係法規に適合していること。

⑥ 納税義務を履行していること

⑦ 外国人登録法に係る義務を履行していること・・・外国人登録法に定める新規登録申請、変更登録申請等の義務を履行していること。

※ 相当性について・・・在留資格変更についての入管法条文は、「相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。」としています。 この条文は、在留資格変更の許可は法務大臣の自由裁量により与えられることを意味し、許可不許可の判断については、在留資格該当性、上陸許可基準がある在留資格についてはその適合性、在留資格変更の必要性、外国人の在留状況、国内外の諸情勢等を総合的に考慮することを意味します。

在留資格変更許可申請のタイミング

 在留資格変更許可申請は、在留資格の変更の事由が生じたとき以降に受理されますので、転職をして職務が変わったとき、結婚をして日本人の配偶者となるなど身分変動があったとき、就職をして留学生ではなくなったときなど、変更しようとする在留資格に該当している等の立証資料を準備し、速やかに変更許可申請をしなければなりません。 

身分に基づく在留資格へ変更する場合

 就労制限のある在留資格で就労している人が、日本人と婚姻するなどの身分に変動があった場合には、身分や地位に基づく在留資格へ変更することができます。
たとえば、「人文知識・国際業務」の在留資格で通訳の仕事をしている女性が、日本人と結婚した場合には、「日本人の配偶者等」の在留資格へ変更することができ、就労制限がなくなります。 「変更することができる」のであって「変更しなければならない」のではありません。

「定住者」への在留資格変更・・・外国からの上陸者については、法務省令に該当する場合には「定住者」の在留資格が認められていますが、既に日本に在留していて在留資格変更により「定住者」になる為の要件については定められてないので、原則として就労可能な在留資格から「定住者」への在留資格変更許可申請は、特別の理由がない限り受理してもらえません。

「日本人の配偶者等」の在留資格と「定住者」の在留資格は、共に活動制限がありませんが、「日本人の配偶者等」の場合には、日本人配偶者との死別や離婚をすると、他の在留資格に変更する必要が生じますが、「定住者」の在留資格であればそのままの在留資格で在留できるというメリットがあります。

「短期滞在」からの在留資格変更

「短期滞在」の在留資格からの変更は「やむを得ない特別の事情」がなければ許可されません。 また、在留期間の更新についても、天災や事故、疾病などの人道上やむを得ない特別の事情があることが求められます。 これは、元々この在留資格は、国際的交流や観光客、商談などの短期滞在を目的としているものなので、中長期的な滞在の活動を予定していないし、査証免除協定などもあり、簡便な入国審査により上陸が認められているので、他の在留資格のような厳格な審査を行っていないからです。

「やむを得ない特別の事情」とは・・・入国後の事情変更により在留目的に変更があり一旦出国して再入国させるより、引き続き在留を認めた方が相当と思われる事情をいいます。 例えば、婚約者が相手の家族を訪問する目的で「短期滞在」の在留資格で日本に入国し、在留中に結婚した場合などは、そのまま日本に在留し同居生活(民法 第752条の「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」)を送った方が良い場合などは「日本人の配偶者等」の在留資格へ変更が認められます。

「技能実習」、「研修」からの在留資格変更

 「技能実習」、「研修」の在留資格は、開発途上国等の青年を、一定期間日本の機関に受入、日本の技能・技術・知識を修得させることにより、開発途上国等へ技能等の移転を目的として創設され、帰国して日本で修得した技能等を本国で活用することを求められていますので、通常は在留資格変更は許可されませんが、日本人や永住者との婚姻などの身分関係の成立を理由とする在留資格変更は許可されます。

「特定活動」の在留資格変更

 「特定活動」の在留資格は、個々の外国人について法務大臣から特に指定を受けたものなので、それ以外の活動を行おうとするときは、在留資格変更の手続きをする必要があります。 「特定活動」は元々、他の在留資格に類別されない活動を行おうとする場合のもので、その他の活動資格として受け皿的な在留資格なので、その活動は個々の外国人について特定された活動範囲に限定されています。 例えば、外交官等の家事使用人の「特定活動」は、投資・経営等の家事使用人とは異なる「特定活動」なので、在留資格変更手続きをしなければなりません。

在留資格変更申請が不許可となった場合

 在留資格変更許可申請が不許可となった場合は、下図の手続により処理されます。

出国準備目的で付与される「特定活動」は、在留期間が1ヶ月又は必要に応じて月単位で定められ、就労活動は認められません。

「特定活動」からの在留資格変更の再申請・・・再度、「特定活動」から当初希望していた在留資格へ変更許可を求めて再申請する場合には、入国管理局へ事前相談・事情説明をして、再申請についての了解を得ておく必要があります。

出国を目的とする「特定活動」の在留資格へ変更して出国した場合は、適法に在留し出国したことになりますので、上陸拒否事由に該当しませんが、退去強制手続により出国した場合は、上陸拒否事由に該当するため、原則として5年間は上陸が認められなくなります。

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