渉外戸籍

渉外戸籍とは・・・日本では、婚姻・離婚、出生・死亡、養子縁組・離縁など人の身分変動があった際に、役所へ届出ることを義務づけ、人の身分関係を公証する戸籍制度があります。 この戸籍制度は、日本に住む日本人だけでなく、外国における日本人が関係する出生・死亡などの身分変動や婚姻・離婚などの身分行為にも適用される他、日本に住む外国人が関係する身分変動や身分行為にも適用され、日本に住む日本人だけの戸籍事務以外を渉外戸籍事件といい、これらの届出を扱う戸籍事務を総称して渉外戸籍といいます。

これらの戸籍事務を取り扱うのは、日本では市区町村長、外国では日本大使館・総領事館などとなります。

渉外戸籍事件の対象

「報告的届出」と「創設的届出」・・・戸籍の届出は2つの大別されます。 子が出生したり、人が死亡した場合にその事実を報告する為にする「報告的届出」と、人が結婚したり、離婚したりしたことを届出ることにより成立させる「創設的届出」があります。

「報告的届出」は、出生や死亡などのように既に確定している事実を報告する為のものです。

「創設的届出」は、届出しないとその身分関係が確定せず、婚姻や離婚などは届出ることにより成立します。 ただし、裁判によって離婚をした場合などは、判決や審判などにより既に確定している事実を報告することになるので、「報告的届出」となります。

報告的届出 出生届、遺言認知届、裁判認知届、認知された胎児の死産届
裁判離縁届、縁組取消届、縁組取消届、特別養子縁組届、特別養子離縁届
裁判離婚届、婚姻取消届、離婚取消届
裁判による親権者指定届、 親権者変更届、親権喪失届、親権喪失取消届
未成年者後見開始届、未成年後見人更迭届、未成年者後見終了届
死亡届、失踪宣告届、失踪宣告取消届
推定相続人廃除届、推定相続人廃除取消届
国籍取得届、帰化届、国籍喪失届、外国国籍喪失届
就籍届本籍分明届
創設的届出 任意認知届
養子縁組届、協議離縁届、死亡養親又は死亡養子との離縁届
離縁の際称していた氏を称する届
婚姻届、協議離婚届、離婚の際に称していた氏を称する届
協議による親権者指定届、親権辞任届、親権回復届
復氏届、姻族関係終了届
入籍届、分籍届、転籍届、氏の変更届、名の変更届
国籍留保届、国籍選択届

※ 外国に住む日本人については、日本に住む日本人と同じように戸籍法が適用されますが、戸籍は日本人についてのみ編成されますので、もともと戸籍のない外国人については、入籍届、分籍届、転籍届、氏名の変更届、復氏届、就籍届、本籍分明届など戸籍制度特有なものは適用されません。

日本国内で発生した渉外戸籍事件

外国人が当事者又は本人 外国人の出生・死亡に関する報告的届出
外国人同士の婚姻・離婚など身分行為に関する創設的届出
日本人と外国人が当事者 日本人と外国人の離婚・認知等裁判に関する報告的届出
日本人と外国人の婚姻・離婚など身分行為に関する創設的届出

日本国外で発生した渉外戸籍事件

日本人が当事者
又は本人
日本人の出生・死亡に関する報告的届出
日本人同士の外国の方式による婚姻・離婚に関する報告的届出
日本人同士の外国の方式による離婚・認知等裁判に関する報告的届出
日本人同士の婚姻・離婚など身分行為に関する創設的届出
日本人と外国人が
当事者
日本人と外国人の外国の方式による婚姻・離婚に関する報告的届出
日本人と外国人の外国の方式による離婚・認知等裁判に関する報告的届出
日本人と外国人の婚姻・離婚・認知などの身分行為に関する創設的届出

※ 外国の方式によるとは・・・例えば、婚姻届は日本では市区町村役場へ婚姻届をすることで婚姻が成立しますが、他の国では証人の立ち会い、公的機関の許可、当事者の宣誓などを行い、教会への届出や公の面前での儀式などにより婚姻を成立させることがあり、日本の市区町村長(役所)へ婚姻届をする以外の方法で婚姻を成立させることを意味します。 よって、外国の方式により婚姻を成立させた場合には、日本の市区町村長へ届出(報告的届出)なければなりません。

なぜ 外国人も届出が必要なのか?

 戸籍法は、本来日本国民を対象として制定されていますが、日本に住む外国人にも適用されます。 しかし、外国人について戸籍が編成されることはありませんし、戸籍の氏名欄に記載されることはありません。 では、なぜ外国人も届出なければならないかと云いますと、届出に基づいて身分変動や身分行為があった事実を内外に公証することが戸籍事務の役割となり、届出ることにより出生や婚姻について証明書(届出の受理証明書、届出の記載事項証明書)を交付してもらい、本国の関係機関に身分変動や身分行為を届出ることができるようになります。

なお、婚姻など日本人と外国人が関係する身分行為については、外国人は氏名欄に記載されません(簡単に言えば戸籍簿のメンバーとして登録されないということ)が、配偶者である日本人の戸籍の身分事項欄に配偶者外国人の国籍、氏名、生年月日などが記載されます。

戸籍法が適用されない外国人

 外国の元首、外交官、外交特使、外国の軍人とその家族など特別な身分を有する外国人は、日本に居住していても戸籍法の適用はありません。

このページの先頭へ戻る