渉外戸籍 ー 離婚

 日本では協議離婚、調停離婚、裁判離婚がありますが、外国では裁判離婚しか認めていない国もあります。 日本では、市区町村長に離婚の届出をするときは、「両者に離婚する意思があること」と「未成年の子があるときは親権者を定めなければならない」と云うことが要件となり審査されます。 これらのことが話し合いによって合意が得られれば「協議離婚」となり、話し合いが整わないときには、家庭裁判所の調停委員による「調停離婚」が試みられ、調停が整わなければ職権で離婚の審判をする「審判離婚」により離婚の成立を図り、それでも当事者が納得できない場合には、「裁判離婚」と云うことになります。

国によって異なる離婚の扱い

離婚に関する扱いは国により以下のように異なり、日本のような「協議離婚」や「調停離婚」を認めず、「裁判離婚」しか認めていない国が多くあります。 また、離婚自体を認めていない国もわずかですがあるようです。

① 離婚を全く認めていない国=フィリピン、イタリア、スペイン、チリなどカトリック教徒の多い国では教会法で離婚が存在しませんが、法制化されつつあるようです。
※フィリピンは、離婚を認めていない国ですが、国外で成立した外国人との離婚は認めています。

② 一定の別居期間を経ないと離婚が認められないなど離婚原因を限定している国

③ 裁判離婚や国の機関が関与しないと離婚を認めない国

④ 当事者の協議により離婚を認めている国=日本、韓国、台湾、中国、ネパール、タイ、スウェーデン、ノルウェー、デンマークなどでは協議離婚を認めているが世界的に見て少数派。

外国人と日本人が離婚する場合

実質的要件・・・外国人と日本人が離婚しようとする場合の実質的要件は、夫婦の本国が同じ場合はその法律により、異なる場合は夫婦が常時居住する場所の法律で、それ以外の場合は夫婦に最も密接な関係のある場所の法律を適用します。 そして、一方が日本人で、その日本人配偶者が日本に常時居住している場合には、日本の法律を適用することが定められています。
※ 本国が同じ場合でも法律が異なることがあります。 アメリカでは州毎に法律が異なり、マレーシアでは宗教により各種法律を適用することとしていたりして本国が同じでも法律が異なることから、夫婦が常時居住する場所の法律を適用することがあります。

形式的要件・・・日本の場合は、婚姻の場合と同様に市区町村長へ離婚の届出をすることが離婚を成立させる要件となりますが(裁判離婚の場合は既に確定している事実を報告するだけになります。)、実質的要件を適用した国の法律によるか、又はその法律行為(離婚)が行われる場所の法律のいずれかの要件を満たせばよいとされています。

離婚する夫婦について 適用する法律 リンクtolink
国籍 常時居住する場所 実質的要件 形式的要件
日本人と日本人 外国 日本 日本 clicon
日本人と外国人 日本 日本 日本又は離婚する国 clicon
日本人と外国人
(A国)
外国(A国) 外国
(A国)
外国(A国)又は離婚する国 clicon
日本人と外国人
(A国)
外国(B国) 外国
(B国)
外国(B国)又は離婚する国 clicon

外国に住む日本人同士の夫婦が離婚する場合 tolink

 日本人同士の夫婦なので日本の法律又は在住地の法律により離婚することができます。 日本の法律による場合は、日本大使館・総領事館へ協議離婚届をすれば離婚は成立します。 日本の本籍地の市区町村長へ離婚届を直接郵送することもできます。 在住する外国の法律により離婚した場合は、3ヶ月以内に日本大使館・総領事館へ報告的届出をしなければなりません。

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日本に住んでいる日本人と外国人の夫婦が離婚する場合 tolink

 一方が日本人で日本に住んでいる場合には、日本の法律により離婚することができます。 従って、協議離婚も可能で、市区町村長への届出により離婚が成立します。 しかし、日本では協議離婚が有効なのですが、他方が「協議離婚」を認めない国の外国人である場合には「裁判離婚」をしておくことが必要となる場合がありますので、外国人の住所が日本にある場合は、家庭裁判所に対して離婚訴訟を提起することになります。 また、外国人が離婚手続を取ることなく本国へ帰ってしまって日本へ戻ってこないような場合には、日本の家庭裁判所に対して外国人配偶者を被告として離婚訴訟を提起することができます。
スペインやベトナムなどは協議離婚を認めていませんが、他国の国民は常居所国の法律に従うという規定があるので、日本に常居所があれば協議離婚が認められます。 

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A国に住む日本人とA国の外国人の夫婦が離婚する場合 tolink

 夫婦が常時居住しているA国の方式により離婚をすることになります。

■A国が協議離婚を認めている国の場合は、協議離婚が認められている旨のA国の証明書を市区町村長に提出すれば、離婚届をすることができます。

■A国が裁判による離婚しか認めていない場合には、日本においてその裁判の判決の効力を認めるかどうかが問題となり、外国で行われた裁判について
① 裁判所がその国において裁判することを認められていること
② 訴えられた側に充分な防御の機会が保証されていたこと
③ 判決が日本の社会通念から見て手続、内容とも公正で適正であること
④ 日本の裁判所がした判決とその国の裁判所がした判決を相互に承認することが保証されていること
の条件を満たしていれば、日本においてもその判決の効力を認めることにしています。 そしてこの条件を満たした外国の判決に基づく離婚届があったときは、市区町村長は離婚届を受理し戸籍に記載されます。

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B国に住む日本人とA国の外国人の夫婦が離婚する場合 tolink

 夫婦が常時居住するB国の方式により離婚することになります。
上記の場合と同じでA国をB国に読み替えてください。 

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夫婦に密接に関係する国 tolink

 夫婦の本国が異なり、常時居住する国も異なる場合には、夫婦に密接に関係する国の法律が適用される場合があります。 たとえば、国籍の異なる夫婦が、単身赴任や別居等の理由により常時居住する場所が異なる場合などがあります。 この場合には当事者の出生地、婚姻を成立させた場所、これまでに共に居住していたことがある地、親族の居住地などの要素を総合的に考慮して判断されます。

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