渉外戸籍 ー 未成年後見

後見とは・・・ 判断能力が不十分な未成年や高齢者、障がいのある方に代わって法律行為をすることができる「代理権」、判断能力が不十分な方が後見人等援助者の同意を得ないで行った借金、保証人になるなどの法律行為について取り消しができる「同意権」や「取消権」などを行使し判断能力の不十分な方の財産を管理するとともに身上看護をすることをいいます。 そして後見する人(援助者)を「後見人」といい、後見される人を「被後見人」といいまが、ここでは、未成年者の後見を対象とします。

「未成年後見」・・・未成年者については、親権者である父母がその養育監護、財産管理を行うのが一般的ですが、父母が死亡又は不明などにより親権を行使するものがいないときは、後見人を定めて保護する必要があります。 この未成年者について、身上監護・財産管理を行うのが未成年後見人です。

「未成年後見人も複数の個人、法人を選任できる」・・・以前は、教育・福祉面について後見人間で対立があるのは子にとって好ましくないということから未成年後見人は1人と規定されていましたが、子への虐待防止と子の権利利益を擁護する為、この規定は削除され、親権の停止制度を新設し、未成年後見人に複数の個人や法人を選任できることになりました。(2012年4月施行) 同時に児童福祉法が改正され、親のない子の親権を児童相談所長が行うなど未成年後見人の担い手不足への対応や児童施設退所後の子の監護・教育をサポートを可能としました。 複数未成年後見人の対立については、家庭裁判所が職権で、未成年後見人の権限を分散させることで対応します。

「未成年後見人になれない人」・・・①未成年者、②家庭裁判所で親権者、未成年後見人、成年後見人、保佐人・補助人を解任された者、③破産者、④本人(未成年者)を相手に訴訟をしている又はしたことがある者及びその配偶者、直系血族、⑤行方不明者は、未成年後見人にはなれません。

「未成年後見人の決定」・・・未成年後見人は「指定」又は「選任」された者です。
「指定」とは、親権を行使していた者が遺言により未成年後見人を指定すること、「選任」とは、遺言で未成年後見人を指定せずに死亡又は親権者が親権を喪失するなど、親権者がいない場合に、本人・親族・その他利害関係者が家庭裁判所に申立てて未成年後見人を選任してもらうものです。

「未成年後見監督人」・・・未成年後見人を監督する者ですが、必須ではありませんが、未成年後見人同様、遺言による指定や申立による選任により決定することができます。

「未成年後見の届出種類」・・・未成年後見に次のような届出があります。
①未成年後見人開始届・・・遺言書の謄本又は選任の審判書の謄本を添付して届出
②未成年後見人更迭届・・・後見人死亡、欠格により後任の後見人の届出
③未成年後見終了届・・・未成年者の成人、父母の親権復活等による後見終了届
④未成年後見監督人就職届・・・遺言書の謄本又は選任の審判書の謄本を添付して届出
⑤未成年後見監督人更迭届・・・監督人死亡、欠格により後任の監督人の届出
⑥未成年後見監督人任務終了届・・・未成年者の成人、父母親権復活等による終了届

以上が日本における未成年後見制度の概要ですが、後見人の資格、権限、選任方法などは国によって違いがあります。 また、最近話題となっている成年年齢については、各国に違いがありますが、18歳までに選挙権を付与しているのは170カ国・地域となっているようです。 また何をもって成年年齢とするのかという問題がありますが、多くは有権者年齢=成年年齢となっているようです。 また、アメリカやカナダでは州によって多少の違いがあるようです。

21歳 アルゼンチン、エジプト、シンガポール、マレーシア
20歳 日本、韓国、台湾、タイ、ニュージーランド、モロッコ、カメルーン
18歳 イギリス、イタリア、スイス、ドイツ、フランス、ベルギー、スペイン ポルトガル、 スウェーデン、フィンランド、デンマーク、オランダ、 オーストリア、ロシア、トルコ、中国、(アメリカ)、(カナダ)、 ブラジル、メキシコ、オーストラリア
16歳 キリギスタン、ネパール
15歳 イラン
14歳 プエルトリコ

未成年後見の国際私法

 日本の国際私法では、「後見は被後見人(後見を受ける未成年者)の本国法による」とされており、未成年後見は未成年者の本国の法律を適用します。

また、成年年齢の判断についても、子の本国の法律により判断されます。

よって、後見開始原因、後見人選任・辞任・解任・欠格事由、後見事務、後見終了原因、後見終了の際の管理計算、後見監督人決定・職務権限、裁判所等による後見監督権限などの後見人制度は、未成年者の本国の法律が適用されます。

日本国籍をもつ未成年者の場合

 外国人と日本人の夫婦間の未成年の子については、日本人の子なので出生により日本国籍を取得していますから、子の本国は日本となり、日本における住居所の有無を問わず、上記の日本の法律が適用され、未成年者について親権を行う者がいない又は親権を行うことができない場合は、本人・親族・その他利害関係者が家庭裁判所に申立てて未成年後見人を選任してもらうことができます。

未成年者が外国人の場合

 未成年の外国人については、本国(外国)の法律が適用されます。 未成年者の日本における住居所の有無を問わず、本国の法律で未成年後見を開始する必要がある場合において、日本において後見の事務を行う者がいないような場合には、未成年者保護の立場から、未成年後見開始原因は未成年者の本国の法律により、その他は日本の法律を適用して日本の家庭裁判所が後見人を選任することができます。

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