在留資格 「定住者」

 「定住者」とは、法務大臣が個々の外国人について、特別な理由を考慮して、一定の在留期間を指定して居住を認める身分や地位に基づく在留資格です。

身分や地位に基づく在留資格の補充規定・・・外国人と日本人との関わりが多様であることから、他の身分や地位を目的とする在留資格に属さない受け皿として、日本人との人間関係や日本との関わりに着目して在留を認めるものです。 この在留資格には活動の制限がなく、在留期間は在留目的に応じて個別に決定されます。
※「特定活動」の在留資格は、外国人の活動の多様性に対応するため、他の在留資格に属さない活動資格の受け皿の役割を持ち、「定住者」は、日本人との関わりの多様性に対応する為に、他の在留資格に属さない身分や地位の受け皿の役割を持つものです。

定住者一般的に「定住者」は、海外移民などによる日系2世や3世、中国地域・樺太地域の残留邦人やその親族など日本と関わりがある者や日本人や永住者の配偶者として在留していた外国人が離婚・死別などにより、在留資格の変更を余儀なくされた者の日本での生活基盤を考慮して、人道上の理由により在留を認めています。

法務省告示
外国からの上陸者については、法務省告示に該当する場合に限り「定住者」の在留資格が認められています。(告示定住) この告示に定める以外の場合は、在留資格変更により「定住者」の在留資格を取得することになりますが、「人文知識・国際業務」や「技能」などの就労資格からの変更は、原則として認められないことになっています。 「定住者」へ在留資格を変更する場合で多いのが身分上の変更で、「日本人の配偶者等」からの変更が最も多いようです。

在留資格該当性(どのような人が該当しているか?)

 法務大臣が個々の外国人について、特別な理由を考慮して、一定の在留期間を指定して居住を認めるものです。
「定住者」は2つに大別され、法務大臣の「告示定住」とそれ以外の「告示外定住」があり、「告示定住」に該当している場合には、在留資格認定証明書交付申請ができ、在留期間は5年、3年、1年又は6月の在留期間が決定されます。 「告示外定住」の場合は、他の在留資格で上陸後に変更を申請し、在留目的によって5年以内の在留期間を決定されます。

告示定住

上陸を許可される告示定住

告示「定住者」の在留資格による新規入国については、法務省の「告示」で定められ、以下の外国人は一定の要件を満たせば「定住者」の在留資格で入国できます。

告示1号・・・ミャンマー難民

告示3号・・・日本人の子として出生した者(1世)の実子(2世、3世)で素行が善良な者

告示4号・・・日本人の子として出生した者で、かつて日本国民として日本に本籍を有したことのある者(1世)の実子(2世)の実子(3世)で素行が善良な者

告示3、4号定住者

「日本人の配偶者等」とは・・・日本人の「配偶者」、「特別養子」、「子」に付与される在留資格です。 父母の生存・死亡にかかわらず、出生時、父母どちらかが日本人である場合は、「日本人の子として出生した者」で日本国籍を取得しますが、後に日本国籍を離脱し外国の国籍を取得していれば、日本に在留するには「日本人の配偶者等」の在留資格を取得する必要があります。
日本人でありながら戸籍に記載されていない者は、家庭裁判所の許可や国籍存在確認・親子関係存在確認等の確定判決を得て就籍することにより、1代繰り上がることができ、4世は3世とされます。

告示5号・・・「日本人の配偶者等」、「定住者」の配偶者。

表1
イ.日本人の子として出生した者で「日本人の配偶者等」の在留資格をもって在留する者の配偶者
ロ.告示3号・4号定住者以外の1年以上の在留期間を指定されている「定住者」の配偶者
ハ.1年以上の在留期間を指定されている「告示3号・4号定住者」の配偶者で、素行が善良な者

告示6号・・・下表の者の扶養を受けている未成年・未婚の実子。
これは主に外国人配偶者の前婚の子(連れ子)を呼び寄せる場合の規定で、概略は、帰化した日本人、「日本人配偶者等」、「永住者」、「永住者の配偶者等」、「特別永住者」、「定住者」のいずれかの者の扶養を受けて生活する未成年・未婚の実子が該当します。

表2
イ.日本人(帰化により日本国籍を取得した者)、永住者、特別永住者の扶養を受けている未成年・未婚の実子
ロ.告示3号・4号定住者及び告示3号・4号定住者の配偶者(表1のハ)以外の1年以上の在留期間を指定されている「定住者」の扶養を受けている未成年・未婚の実子
ハ.告示3号・4号定住者又は告示3号・4号定住者の配偶者(表1のハ)で、1年以上の在留期間を指定されている「定住者」の扶養を受けている未成年・未婚の実子で素行が善良である者
ニ.日本人、「永住者」、「特別永住者」、1年以上の在留期間を指定されている「定住者」の配偶者で、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」の在留資格で在留する者の扶養を受けている未成年・未婚の実子

告示6号定住者

扶養を受けている未成年・未婚の実子とは・・・日本では未成年は20歳未満ですが、外国では18歳未満の場合が多く、高校卒業年齢であれば扶養を受けず自活能力があると判断されますので、年齢が18歳に近ければ近いほど不許可の可能性があります。 ただし、入国後に成人に達する、婚姻する、扶養を受けず就労することとなった場合でも、これにより在留を否定されるものではありません。
告示6号ニ「定住者」 配偶者の実子(連れ子)の呼び寄せ・・・今までの養育の経緯や今後の扶養の必要性、呼び寄せる側の経済状況、将来の生活設計などについて、申請書類で説明する必要があります。 ある程度の年齢にある子の呼び寄せは、家計を助ける働き手とすることが呼び寄せ目的と判断されれば不許可となります。

<参照リンク:上記告示定住3~6号まとめ図解>

告示7号・・・日本人、永住者、定住者(1年以上の在留期間)、特別永住者の扶養を受けて生活する6歳未満の養子。 入国後6歳以上になった場合でも、これにより在留を否定されるものではありません。

告示8号・・・中国地域・樺太地域の残留邦人、その配偶者・子・その親族
中国残留邦人とは・・・昭和20年9月2日以前から引き続き中国地域に居住し、同日に日本に本籍を有していた日本国民、これらの者を両親として昭和20年9月3日以降中国で出生し居住している実子、その他昭和20年9月2日以前から樺太地域に居住している者などこれらに準ずる者です。

「素行が善良」とは・・・日本国以外の国の法令違反による犯罪歴を確認する為、国籍国や入国前居住国の犯罪経歴証明書が求められます。 また日本の法令違反については、検察庁へ前科の照会をされ、以下のいずれにも該当しないことが求められます。 この素行が善良であることは、在留資格更新についても重視されます。

日本又は日本以外の国の法令に違反して、懲役、禁固、罰金刑に処せられたことがある者(道路交通法違反による罰金を除く。)
ただし以下の場合には該当しないものとして扱います。
・懲役又は禁錮について、いずれかに該当するとき
  執行が終わり、又は執行免除を得た日から10年を経過している。
  刑の執行猶予の言い渡しを受けた場合で、執行猶予期間を経過したとき。
・罰金刑について、いずれかに該当するとき
  執行を終わり、又は執行の免除を得た日から5年を経過している。
少年法により保護処分が継続中の者
日常生活・社会生活において、違反行為・風紀を乱す行為を繰り返し行うなど素行善良とは認められない特段の事情がある者。
道路交通法違反などの違法行為を繰り返すなどが該当します。   
他人に入管法に定める証明書交付又は許可目的で不正な行為を行った者、不法就労斡旋を行った者

告示外定住

離婚定住・死別定住(「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」から「定住者」の在留資格変更)

「日本人の配偶者等」tolink「永住者の配偶者等」tolinkは、永住許可の要件が緩和されているので、「永住者」の在留資格を取得する方が安定した身分を取得する事が出来ます。 しかし、永住許可を受ける前に日本人・永住者・特別永住者の配偶者との死別や離婚により「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の在留資格に該当しなくなると在留資格を変更する必要があります。
在留資格変更の検討
① 再婚による「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」「家族滞在」への変更
※ 「正当な理由がないのに配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6月以上行わないで在留していると、在留資格取消事由に該当する」という在留資格取消事由が規定されています。 このことから、「前婚解消・取消の日から6ヶ月を経過していること(待婚期間)」という民法の再婚禁止を考慮すると、法律上は在留資格取消事由に該当することとなってから再婚禁止期間が解かれることになりますので、このような場合には、入国管理局へ相談し、待婚期間が過ぎるまで「短期滞在」などへ在留資格を変更することになろうと思われます。
② 学歴や実務経験がある場合には就労資格の在留資格への変更
③ 「定住者」の在留資格への変更
「定住者」への在留資格の変更は、特別な事情を考慮した「告示外定住」として以下のようなケースの要件を満たせば認められる場合があります。

ケース1・・・子がいない場合
① 独立した生計を営むに足る資産や技能を有すること
② 最低満3年以上(死別の場合は1年以上)の法律婚及び夫婦として共同生活の実態があることが要件となり、離婚の場合は離婚に至った経緯や今までの在留状況も審査の対象となり、元の配偶者から事情を聴取することがあります。

ケース2・・・子がいる場合
① 独立した生計を営むに足る資産や技能を有すること
② 日本人・永住者・特別永住者との間に出生した子を日本国内で養育していること
など在留を認めるべき特別な事情を有することが要件となります。
「永住者の配偶者等」の在留資格の外国人母の場合、これらに該当すれば「定住者」の在留資格が認められることがあります。

ケース3・・・日本人の実子を扶養する外国人親の場合
① 独立した生計を営むに足る資産や技能を有すること
(充分な独立生計能力がなく、一時的に公的扶助を受けていても、将来の自活に備える予定や計画があれば許可されることがあります。)
② 日本人実子の親権者であること
(日本人の実子とは、出生時父母どちらかが日本人で、婚姻関係にある・なしに関わらない。 実子は日本国籍でなくても良いが、婚姻関係にない父母の子は日本人父から認知されていなければならない。)
③ 現に相当期間監護養育していること
※ ケース3は、未婚の母である外国人と日本人の子として出生し日本人親に認知されている子を救済する趣旨がありますので、妻のある日本人父と外国人の愛人との間に出生し、日本人親に認知されている子も対象となります。 なお、外国人母と日本人父の間に出生した子で、日本人父に認知されている20歳未満の子は、法務大臣への届出により日本国籍が付与されますので、その場合、子については入管法の枠外となります。

その他 「定住者」への在留資格変更

 日本へのかかわりが深く日本での生活基盤があり、在留を認める必要性もあり、独立生計能力や素行不良でないような場合には、「告示外定住」として認められることがあります。

特別養子離縁による「日本人の配偶者等」から、離縁による「定住者」への変更
独立した生計を営むに足る資産や技能を有していれば変更が認められることがあります。 未成年で扶養や監護が必要な場合には、実親やその親族と血族関係が復活するので、他の在留資格への変更となります。

就労資格からの変更(失業等により職を失った場合)
雇用状況悪化による解雇や雇い止めにより(自己都合でなく)失業を余儀なくされ在留資格更新ができなくなった場合には、「短期滞在」に変更することができます。 さらに、在留歴が長く、当面の在留に支障なく生計を維持することができ、在留を認める必要性があると判断されれば「定住者」への変更が認められることもあります。 この場合において、一定年数の継続在留が求められるため、「再入国許可」を取得して出国することの重要性が認識されると思います。

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